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洋画

松田 一【まつだ・はじめ】愛媛県東温市

松田 一 プロフィール

Prolfile

1938年 愛媛県 八幡浜市 五反田川筋生まれ
1964年 上京し麻生三郎、洲之内徹の指導を受ける
1968年 帰郷、高校美術教師を経て、愛媛県の地で画家の活動に専念
現在、愛媛県東温市在住

松田 一からのメッセージ

Message

私は無所属で、ここ愛媛県の大地に足の裏をしっかりつけ、個展を31才から今日(73才まで)毎年1回、愛媛県だけで発表してきた。
その個展の作品に力を注ぎ、世に問うてきた。アート(創造の世界)では肩書も地位も過去も未来も不要であり、「ただ今」がその作者の実力であると考えている。私のこのような活動は今後も死ぬまで続けるつもりである。
作風は年々流動し、具象・抽象・平面・立体あり、表現材料も水彩・油彩・アクリル・色鉛筆・ミクストメディア等表現内容に合わせて既成概念にとらわれずわがままに使用している。
「生きている」ことは「流動している」ことであり刻々変化していることである。だから「その人の生き方が作品の質を決める」と思えば作風が変化流動するのは当然である。

水がよどめばボウフラがわく。アートの世界ではマンネリズムは大敵である。

20歳代は半分仏の世界、半分は人間世界に在る路傍の地蔵さん達、30歳代は荒廃する雑木林、40歳代は人間の身勝手によってオモチャのように捨てられた犬や猫たち、50歳代は民族・宗教観の違いによる紛争や戦争・核実験などの人間の「業」の世界、60歳代から人間の不条理やどうすることも出来ない宿命的な事象や「時」の流れを心象抽象的に表現している。
私は絵は「空言」(そらごと)ではないと考えていて、私の日々の暮らしの中でショックを受けた事象(それはけっしてきれい事ではない)を平面や立体に作品化している。その根底には「いのち」問題が常に横たわっている。この地球上に「生」(せい)を受けたもの、それは皆かけがえのない価値を与えられている。その事への熱い思いが私を制作へと駆り立てるのだ。

絵画だけでなく、ひとりごとのような短文も書いており、作品集にまとめております。
一文ですがご紹介いたします。

「人真似しない 野暮でいい
誤魔化さない 本音でいい
所属しない 一人でいい
脇見しない 一途でいい
媚び慣れない 自在であれ
そして野に在れ」
(松田 一 デッサン集より)

松田 一 展示作品

1.冬野

冬の風景は空も大地も素顔を見せて美しい。
寒々しい季節の中で野鳥は生きるために今日のエサを求めて必死に飛んでいる。

水彩

2.冬の石鎚連峰
(2009年制作)

セザンヌは故郷・ヴィクトワールを聖なる山と呼び 私は雪の石鎚連峰を霊なる峰と崇め ここ東温の里を終のすみかとした

水彩

3.枯野
(2011年制作)

犬や猫をゴミのように捨てる奴はゴミくず以下の人間だ!!

(彼らも人間と同じ魂を持っている)

コンテ・アクリル・水彩

4.北帰行
(2002年制作)

野鳥の絵はよく描く 気がつけば人間の姿が重なって見える
どこに飛んで行くのだろうか
この作品は北朝鮮による拉致事件がヒントになった

鉛筆コンテ・色鉛筆

5.冬の川原で
(2010年制作)

枯草や枯葉に永遠の命を想う
これから厳しい冬がきても
やがては春に命をつなげる
生と死の輪廻をテーマとして描くことが多い
色鉛筆

6.港の夜明け
(2010年制作)

私は毎日、夜明け前(4~5時)
星や月の光の中をひとり歩く
その時に胸底に浮かんだ心象風景

油彩画・アクリル・流木など

7.突然に・・・在る
(2010年制作)

元気印の実母がある朝突然に倒れた 人もモノも人知を超えて流れて在ることを実感

油彩・流木・アクリル・漆喰など

8.一条光(2011年制作)

東日本大震災があり
ちっぽけな私はこの伊予の地で
ただ祈ることしかできない

油彩・アクリル・かや網など

9.貝殻と干魚
(1982年制作)

この頃私は貧しく
手元にあった干魚を
貝殻に思いをねじ込むように描いた

油彩画

10.足摺岬(2005年制作)

岬は陸と海とのせめぎあいの場
私はそんな異質なもののぶつかり合う緊張感が好きで
足摺岬へよく行く

油彩画

11.おふくろⅠ

大正6年(1917年)生まれの母は
生真面目なイケメンの父に猛アタックし
私を頭に5人の子供を産み
戦中戦後の貧しい時代に ぼろ布集めから
縫製 駄菓子屋 保険の外交など
いろんな内職で安月給の市役所職員の父を助け
私らを育てた

コンテ鉛筆

12.おふくろⅡ

「宵越しの銭は持たぬ」快活な気風の母は
すぐ子供や家具など身の廻りのものに使い
いつもこざっぱりした身だしなみ
そして何事も「なんとかなるわい」主義で
子供に手がかからなくなってからは
奔放に心遊びし 一方では毎朝
菩提寺に詣り六地蔵さんに手を合わせ
「ありがとう」が口癖の人だった
母は漁村の生まれだった

コンテ鉛筆

13.おふくろⅢ

そんな母の一生は
天寿を全うの92歳の生涯であったに違いない
倒れて2年間病床の中での母を24年点制作した
私の大きなモニュメントである

2009年5月 92歳で没す

コンテ鉛筆

14.野良猫
(2011年制作)

中国の田舎へ夏に写生旅行に行った時
猛暑の中で寺の参道脇で目があって
胸がしめつけられた
一期一会の悲哀をつくづく感じた旅だった

コンテ鉛筆

15.愛犬ジョニーへ

「別離の悲しみを教えてくれた
生きて行く力を与えてくれた
孤独を共有してくれた
そして 正直に
一筋に生きることを
全身で教えてくれた
ただ そばで いただけなのに」

(松田一デッサン集より)


川原で捨てられれていた黒の雑種犬の子犬を家に連れて帰り共に13年間暮らした

コンテ鉛筆

松田 一 作品展情報

●松田 一 絵画展示・(販売会)
2017年12月22日(金)~
27日(水)
「年末までに個展したいなぁ」ボソリと口ごもった彼が、この春突然に黄泉の国へと旅立った。孤独を背負った一生だった。
その彼への感慨が、砂時計の砂が落ちつづけるように私の胸底に今も降り積もっていて、「個展したいなぁ」あのくぐもった声が日ごとに大きくなっている。
それで彼の遺作展を来春にしようと決心。今展は彼へのレクイエムとしての意味を含めて展示します。大半この一年間の新作です。今展に限り販売もいたします。(30~50%OFF)
~必然トハ運命的ナ偶然デハナイカ~と思う日々です。

時間:AM10:00~PM5:00
場所:子規堂前 画廊
愛媛県松山市末広町17-9
TEL:089-921-8739
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